2019年末から2020年にかけて韓国で放送された大ヒットドラマ「愛の不時着」。
見逃した方、
見たけど忘れちゃった方、
もう一度振り返りたい方のために、
あらすじ(ねたばれ)を書いていきたいと思います。
今回は10話~16話までの後半部☆
韓国に帰セリとジョンヒョクとの恋は、これからどうなるのでしょうか!?
ちなみに前半部は、こちら↓
10話
38度線を越え、ソウルへ帰ってきたセリ。
死んだはずのセリが帰ってきたので、大騒ぎです。
吸収合併されるところだったセリの会社(セリズチョイス)は、セリが帰ってきたため阻止することができました。
家族は、セリが帰ってきて複雑な表情です。
予想していたことながら、セリは憂鬱な気持ちになるのでした。
豪華な我が家、豪華な食事、広いお風呂、停電もせず、なに不自由ない生活。
それなのになぜか心に穴が空いたように、楽しくありません。
北ではあんなに食べ物がおいしく食べられたのに、ソウルでは喉をとおりません。
もう隣に、愛する人はいないのです。
さてリ・ジョンヒョクはというと・・・
セリが去ったあと、元気がなく、食欲もなく、夜も眠れず、重症の恋煩いを発症していました。
まだセリが隣に座っているような気がして、そのたびに会いたくて仕方がなくなるのでした。
そんなある日、盗聴者のチョン・マンボクがジョンヒョクを訪ねてきました。
マンボクは、リ・ムヒョク大尉(兄)の死について、知っていることを洗いざらいジョンヒョクにしゃべりました。
ムヒョクを殺すよう指示したのは、チョルガンであること。
ムヒョクの腕時計の中に、チョルガンの不正の証拠が隠されていること。
マンボクは、その腕時計をジョンヒョクに返しました。
その腕時計は、スイスに行く前にジョンヒョクが兄に贈った品物でした。
そして事故のあと質屋に預けられ、巡りめぐってセリが買い取り、さまざまな人の手を介して、最終的にジョンヒョクの手に戻ってきたわけです。
ジョンヒョクは、兄の最期を想って涙を流しました。
兄が残した記録と、数々の証拠品をもとに、チョルガンの裁判が行われました。
そして裁判の結果、テロ罪、密輸罪、歴史遺物盗掘罪に問われ、全財産の没収と国民権のはく奪、強制労働を言い渡されたのです。
こうしてチョルガンに制裁は下されたのですが、このままだまって引き下がる男ではありませんでした。
護送される途中、チョルガンは私兵を動かし、脱走を手助けさせたのです。
脱走したチョルガンは、杳として行方が分からなくなってしまいました。
そしてジョンヒョクの事務所に、一本の電話がかかってきました。
「いまからあの女を殺しに、南へいくところなんだ」
チョルガンの声でした。
焦りまくるジョンヒョク。
ある夜、セリはどうしても眠ることができず、コートを着て冬の町に出ていきました。
そして雑踏の向こうに、いるはずのない人の姿を見つけたのです。
いるはずのない、愛するリ・ジョンヒョクの姿を。
ジョンヒョクが前哨地から消えたことを知った、リ・チュンリョル総政治局長(ジョンヒョクの父)は・・・
こんな息子の不祥事がバレたら、失脚どころのさわぎではありません。
ジョンヒョクの部下らに「ジョンヒョクを連れ戻すため南へ行くよう」命令を下します。
ピョ・チス、キム・ジュモク、パク・グァンボム、クム・ウンドン、そしてチョ・マンボクの5人です。
彼らは、体育大会の国際選手にまぎれ、ソウルに入国させることにしました。
全員、はじめて見るソウルに大はしゃぎです。
そして映画「シークレット・ミッション」のドングが特別出演してます!
11話
セリの安否が気になったジョンヒョクは、廃坑になったトンネルを10キロも這って脱北。
「ソウル市江南区チョンダム」の住所だけを頼りに、たくさんの人の中から、セリを見つけ出すことができるジョンヒョク。
ということで、感動の再会を果たした二人。
再会の喜びもつかのま、セリは、脱北したチョルガンが、自分の命を狙っていることを知らされます。
セリは、ジョンヒョクとソウルの街に買い物に出かけました。
ジョンヒョクのスーツを選ぶためです。
がっしりした長身の体格なので、何を着ても似合うジョンヒョク。
しかしスーツ姿のジョンヒョクに見とれる一方で、ほかの女性に見られるのは我慢がならない様子のセリ。
ジョンヒョクは、なんだかセリが怒っているような気がして、顔色をうかがうような表情です。
ジョンヒョクのためにお金を使うのが、嬉しくて仕方がないセリは、彼のためにたくさんの買い物をするのでした。
一方、北朝鮮では、チョルガンが逮捕&逃亡したことで、ク・スンジュンの身にも危険が迫っていました。
スンジュンは、チョルガンの手引きで北へ入国していたからです。
今度は、国に追われる身となったスンジュン。
しかし行き場をなくしたスンジュンを助けたのはダンでした。
またダンも、まだ結婚していないことを女友達にイジられていたところを、スンジュンに救われたのです。
ダンは、新婚生活のために用意した新居をスンジュンに貸し、出発までの間ここにいるように言いました。
実は、スンジュンは、なんとなくダンのことが好きになり始めていました。
気になると思い始めると、なにも手に憑かないほど気になってしまうスンジュン。
そしてジョンヒョクはある夜、チョルガンがいるという情報をえ、中国人のアジトに単身乗りこんでいきました。
しかしその情報は、ガセネタでした。
チョルガンは、セリのすぐそばまできていて、一人になったセリは、危険にさらされます。
地下駐車場で襲われるセリ。
12話
異変を察知し、あわてて戻ってきたジョンヒョクは、駐車場で襲われたセリを保護することができました。
残念ながら、チョルガンは逃亡。
この事件から、チョルガンは本気で命を狙ってくることを二人は自覚しました。
苦労が報われていない人がいます。
セリの生命保険を担当していたパク・スチャンです。
スチャンは、セリが行方不明になったときも全身全霊をかけて彼女を見つける努力をしました。
だからこそセリが帰ってきたときは大喜び。
会社が莫大な損害をこうむることはなかったのですが、結局、なんだかなんだで会社を首になってしまいました。
「受けた恩と復讐は必ず返す」と、豪語するセリは、スチャンにきっちり恩返し。
スチャン氏を今の給料の3倍で、セリズチョイスにスカウトしたのでした。
「感謝します、社長」涙ながらに喜ぶスチャン。
カゼを引いたク・スンジュン。
頼る人は、ダンしかいません。
ダンはスンジュンの電話を冷たくあしらいましたが、やっぱり放ってはおけません。
夜中にこっそり家を抜け出し、スンジュンのためにおかゆを作ってあげるのでした。
心を許したスンジュンは、ダンに自分の身の上を話ます。
父は信じていた人にだまされて会社が倒産し、家が貧しくなった。
その後、父は死に、母は再婚し、自分は寄宿舎に入った・・・。
実は、スンジュンの父の会社を倒産させたのは、ユン・セリの父でした。
スンジュンは復讐のために、ユン家に近づいたのです。
「北に、帰りたくない。帰るのがいやだ。君と結婚して、子供もほしい」
ジョンヒョクは、セリとお酒を飲みながら、酔いにまかせて夢を語りました。
「君に、白髪がはえて、しわも増えて・・・美しいだろう」
ジョンヒョクの話を聞いて、セリは涙が溢れそうになりました。
そんな未来は、願っても願っても、絶対にかなえられそうにない儚い夢だからです。
北から来た5人は、なかなか二人に巡り合えませんでしたが、ようやく再会することができました。
ジョンヒョクの連絡を受け、セリはいそいで飛んできて、隊員たちと涙の再会を果たしました。
セリの自宅に招かれた5人は、豪華な設備におどろくやら喜ぶやら、大忙しです。
夕食は、焼き肉をたらふく食べ、楽しい時をすごしました。
しかしジョンヒョクの父が、彼の帰国を待ちわびていることを知ったセリ。
「私は大丈夫。もういつ、あなたがいなくなっても、驚かない」
彼の負担にならないように、平気なそぶりを装います。
そして仕事を終えて家に帰ってきたとき、家は空っぽで、だれもいなくなっていました。
わかっていたこととはいえセリは寂しさに耐えることができず、明かりが消えた部屋でひとり号泣します。
驚いたのはジョンヒョクと隊員たちのほうでした。
明かりを消し、息をひそめていたのは、セリの誕生日祝いをサプライズするためだったのです。
明かりがつき、戸惑いを浮かべながら、セリの前に出てくる仲間たち。
セリは、恥ずかしくなって家を飛び出しました。
13話
家を飛びだしたセリを追いかけるジョンヒョク。
「僕が行っても、ひとりで泣かないで」と、優しく慰めるジョンヒョク。
「今日泣いたから、もう泣かないわ」と、強がるセリ。
家に帰ると、みな心配そうにセリの帰りをまっていました。
ジョンヒョク手作りのケーキを囲んで、北韓の誕生日ソングを歌い、みなでセリのバースデーを祝いました。
しかし楽しければ楽しいほど、いつか来る別れの日を想うと、セリは悲しくなってしまうのでした。
夜、ジョンヒョクはそっとセリの部屋を訪ねました。
そしてセリのために、シンプルなペアリングを買ってプレゼントしたのです。
「質に入れてもいい」と、自信なさげに言うジョンヒョク。
「私が見てきた指輪のなかで、一番きれい。一生外さないわ」と、セリは喜びました。
さて北朝鮮では、ジョンヒョクが前哨地に行っていることになっています。
そんななかで、スンジュン(別名アルベルト)と何かといっては親密にしているダン。
そんなダンを、ダンの母は心配そうにしています。
今回も無断外泊したうえに、スンジュンと朝まで酒を飲んでいたと知り、気が気ではありません。
ところが一緒に食事してみるとスンジュンは、母の目にとても好青年に映ったのです。
「婚約者のいるダンに自分が勝手にほれている」こと。
「ダンの美しさ、気品、すべてが好き」なこと。
「お母さまから遺伝したのでしょう」と、母まで褒める配慮を見せ、自尊心を守られた母はスンジュンに好印象を持ったのです。
「あなた、予定通りジョンヒョクと結婚するつもり?」
ダンの心の変化を感じ取った母は、好きでもない婚約者と結婚させることを不安に感じたのでした。
セリは隊員のみんなにお礼をするために、
「なんでも好きなものを買って、食べたいものを食べて」、と言って、セカ(セリのクレジットカード)を渡しました。
街に出た隊員たちは、ブティックで服を買い、街を見物して歩きました。
セリは会社をサボってジョンヒョクと映画を見たり、ドライブをしたり、楽しい時をすごしました。
夜はチキン店でサッカーの日韓戦を観戦し、大いに盛り上がりました。
ところがそんな平和な日々も、長続きしませんでした。
過去に、盗聴者をしていたマンボクに、接近してきた影があったのです。
潜伏中のチョルガンです。
チョルガンはマンボクの家族の命をちらつかせながら、言うことを聞くように彼を脅迫してきたのです。
さて韓ドラ大ファンのジュモクは「お使い」の名目で、憧れのジウ姫に会うチャンスが!
推しに会ったら、絶対こんなかんじだよね!(私も多分こうなる)
さすがセリ、北韓での約束をキッチリ果たしていました。
さて、隊員たちが北韓に帰るときがきました。
選手団のバスが出発する日程がやってきたのです。
その一方で、潜伏中のチョルガンも最後の一手を打つべく虎視眈々と機会をうかがっていました。
セリの次兄、セヒョンと組み、オ課長と通じ、マンボクから情報を引き出し、ありとあらゆるツテを頼って、セリを亡き者にしようとしています。
セヒョンは、父から「セリが生きていることを隠し、助けようとしなかった不実」を咎められ、代表の座を返上するよう詰め寄られていました。
そのためセリに消えてほしいセヒョンは、チョルガンと利害が一致しているのです。
父はセヒョンと話しても埒があかないとさとり、セリに家に来るように言います。
セリは自ら車を運転し、実家に向かいました。
不審な車両が、ぴったりとセリの車についてきて、暴漢がセリを襲います。
しかし襲われたセリを助けたのは、北韓に向かうはずだった5人の隊員たちでした。
隊員たちは、セリの身を守るべく戦います。
ジョンヒョクはというと、オ課長に呼び出され、廃工場にやってきていました。
大勢のゴロツキを相手に、ジョンヒョクも戦っています。
ジョンヒョクは、はじめからワナだと知ったうえで、ここにやってきていました。
チョルガンに脅迫されたマンボクでしたが、ジョンヒョクに受けた恩にはそむくことができず、ジョンヒョクに本当のことを打ち明けていたのです。
知ったうえでやってきたのは、チョルガンの息の根を止めるには、自分が出向くしか方法がないと思ったからです。
5人の隊員のおかげで、窮地を脱したセリは、仲間とともにジョンヒョクのいる廃工場へ急行。
買収した中国系ゴロツキも動員し、ジョンヒョクに加勢を頼みます。
不利になったチョルガンは外へ逃げ、ジョンヒョクはチョルガンを追いかけます。
廃工場の外で待っていたセリはその光景を見ていました。
チョルガンが、ピストルをかまえジョンヒョクに狙いを定めるのがわかったとき、セリは無我夢中で飛び出しました。
セリは車ごと、銃弾の前に突っこんだのです。
チョルガンの居場所がわかったジョンヒョクは、チョルガンに発砲し、彼は血を流して倒れました。
しかし車の中にいたユン・セリもまた、血を流し、動かなくなっていたのです。
14話
病院にかつぎこまれたセリ。
医者は危険な状態だといい、緊急手術となりました。
ジョンヒョクは涙がとまりません。
チョルガンもまた、ジョンヒョクに撃たれたとき大けがを負っていました。
無認可の医者にかかり、なんとか命を取りとめていたのです。
セリが目覚めたと知り、ジョンヒョクはいそいで彼女の病室に飛びこみました。
弱りはてているセリ。
ジョンヒョクは安堵の涙を流し、
「なんであんなに危険なところに出て行ったんだ、死んだらどうするんだ」と、恨み言をいいました。
そしてセリを優しく抱きしめ、「愛している」と言いました。
「言えないかと思って、怖かった」
ジョンヒョクは、セリを失うことの恐ろしさを、改めて実感したのでした。
セリが意識が戻らないあいだ、側にいられない隊員たちはセリを心配していました。
そこで元盗聴員のマンボクは、こっそり病室に盗聴器をしかけ、会話を盗み聞き。
そのせいでセリが意識を取り戻したことも、隊員たちはいち早く知ることができました。
そして「セリさんが聞くべき話も入っている」と、マンボクは録音テープをセリに手渡します。
録音テープの中には、セリの母の声が入っていました。
母といっても義理の母だったため、ずっと長い間セリとは親密とはいえなかった母です。
しかし録音されていたのは、泣きながらセリに許しを請う母の声。
「セリ、どうかもう一度戻ってきて」悲痛な母の泣き声に、セリも涙がとまらなくなるのでした。
韓国の国家情報院は、廃坑(韓国側は塩辛貯蔵庫)を調査していました。
北朝鮮のピンバッジが、見つかっていたからです。
CCTVからは、その洞穴から侵入してきた男性の影が映っていました。
また、ユン・セリが駐車場で何者かに襲われた事件も警察は知っており、その洞穴から侵入した男性が犯人ではないか、と目星をつけていました。
警察は、セリに面会し、犯人に心当たりがないかと尋ねます。
セリは「(犯人を)知っていたら、捕まえられるんですか」と、逆に尋ねました。
セリは、両親と長男夫婦、次男夫婦を病室に呼びました。
「みんなのまえで、言いたいことがある。銃撃事件の手がかりが、ここにある」
そういって、セリは、マンボクが録音した盗聴テープを流しました。
録音の内容は、ひどいものでした。
脱北者チョルガンに金をわたし、セリの死を願うような、次男夫婦の会話が録音されていたのです。
それを聞いた両親は大激怒。
「もうお前のことは息子だとはおもわない」と、絶交を宣告されてしまいました。
病室には警察も同席していました。
次男夫婦は今後「だれに何の名目で金を渡したか?」「チョルガンとどうやって知り合ったか?」を聴取し、詳しく捜査されることになりました。
銃撃戦で重傷を負ったチョルガンは、モルヒネを打ちながらなんとか生きていました。
ジョンヒョクは、そのチョルガンのあじとをつきとめ、銃口を向けます。
にらみあう二人。
ところがそこに、警察のスポットがあたりました。
「武器をおろせ!」と、アナウンスが流れます。
狙撃手の赤い照準が、ジョンヒョクの体を照らしていました。
響き渡るピストルの音。
15話
警察が率いる狙撃手が撃ったのは、チョルガンでした。
ジョンヒョクはすんでのところで身をかわし、銃弾をうけずに済みました。
そして「お前にはもう帰るところはない。帰っても、お前のせいで親は殺されるだろう」
・・・と、最期の言葉を残し、チョルガンは死にました。
持っているピストルで自死しようかとも考えたジョンヒョクでしたが、思いとどまりました。
自分が死ねば、悲しむ人がいるからです。
5人の隊員たちも北韓から来たことがバレてしまい、警察に連行されてしまいます。
隊員たちは、韓国の拷問がどんなに恐ろしいかを教育されてきたため、恐怖に恐れおののいています。
あまりのことに動揺し、セリは痛む体をひきずりながら、病室を抜け出し、
「私もいっしょに行きます。あの子たちは何も悪くない」と、泣き叫びました。
しかし母に止められ、病室に戻されてしまいました。
国家情報院に連行された5人。
しかし健康診断と体重測定を終え、簡単な尋問を受けたものの、拷問されることはありません。
食事もお代わり自由で、係員はフツーに親切。
歳の幼いウンドンは、食事をとれてうれしそうにしています。
またジョンヒョクも同様に、国家情報院に連行されていました。
・・・が、ほかの隊員たちとはちがい、食事も睡眠もとらず、黙ったまま。
すべての罪を自分で背負いこむつもりでいるのです。
ク・スンジュンは、ダンのマンションで潜伏していましたが、ある日、マンションに黒服の男たちが押し入ってきました。
そして追い詰められたスンジュンに、銃口を向けたのは、懇意にしていたはずのチョン社長でした。
銃口を向けられては抵抗するすべもないスンジュンは、車に乗せられどこかに連れていかれてしまいました。
しかしチョン社長は、中国の国境まで行く途中で、スンジュンをなんとか逃がしてくれました。
名も知らぬ異国の地で逃げまどうことになったスンジュン。
物乞いの子供たちが歌う
「僕は親も兄弟もいない、死んでも誰が埋めてくれるだろう、誰が土をかけてくれるだろう・・・・」
・・・そんな歌を聞いていたら、物乞いの子供たちと自分は何も違わないと感じ、涙がにじんでくるのでした。
マンションからスンジュンが姿を消したと知ったダンは驚き、彼を探しはじめます。
二人が再会したのは、ジョンヒョクの家でした。
行き場をなくしたスンジュンは、仕方なくそこへ身を隠していたのです。
スンジュンはヨーロッパ行きの航空券を手配し、明日、北朝鮮を離れるつもりだと、ダンに伝えました。
スンジュンは、ダイヤの指輪をダンの指に嵌めました。
セリが質屋に売り払った、あの指輪を取りもどしていたのです。
「いつか俺がまともな男になって、そのときダンさんがまだ一人でいたら、もう一度俺にチャンスをくれ」
泣き始めたダンを、スンジュンは優しく抱きしめました。
ダンは心のすきまを埋めてくれたスンジュンを、いつしか好きになっていたのです。
「ダンさんが好きだ。好きだから進むべき道をいくよ」スンジュンは、そう言い残しました。
ク・スンジュンは、空港でダンと別れました。
ところがダンのタクシーを追跡する車があったのです。
そして「ダンを殺されたくなければ、すぐにこい」と、スンジュンの電話に連絡がありました。
スンジュンは、すぐに飛行機にのらなければ、次はいつ出国できるかわかりません。
しかしダンを放っておくことはできず、苦労してとった航空券を破り捨て、指示された場所に急ぐのでした。
そしてその後、ダンを助けたあと、スンジュンは亡くなるのです。
ジョンヒョクは、国家情報院でウソの証言を続けていました。
「セリが財閥令嬢だと知り、自分が北韓に引きとめた(だからセリは悪くない)。
部下たちは自分の命令に従っただけだ(だから部下は悪くない)」
・・・というように、すべて自分が罪を背負いこむ証言をしていたのです。
セリの証言と食い違うことから、「対面尋問」が行われることになりました。
しかし対面したセリは、ジョンヒョクの顔つきが変わっていることに驚くのです。
優しかったジョンヒョクの顔からは表情が消え、にこりともしません。
「自分の父は総政治局長だ。そんな僕が、情にほだされて君を助けるわけがないだろう。勘違いするな、君が金持ちだから助けたにすぎない」
そう言って、「帰ってくれ」と冷たく拒絶したのです。
セリはショックのあまり言葉もなく、部屋から出たところで気を失ってしまったのでした。
意識不明の状態で病院に戻ったセリ。
敗血症ショック状態で、再度、危篤状態になります。
それを知ったジョンヒョクは、動揺を隠しきれませんでした。
(警察に許可をもらい)セリの病院に急ぎました。
集中治療室のガラスにはりつくように、セリを見つめる瞳が、すべて真実を語っていました。
16話(最終話)
いったん心臓が止まったユン・セリでしたが、心肺蘇生の成果があり、もう一度息を吹き返しました。
息づまるような緊張のまなざしで、セリを見つめるジョンヒョク。
「ひとまずは安心です」という、医師の言葉を聞き安堵の涙を流すのでした。
さて北朝鮮にいるジョンヒョクの父は、ジョンヒョクと隊員の帰還のために、軍事部長と折衝していました。
「服役中の南朝鮮のスパイ9名と、ジョンヒョク含めた6名を交換する要求」を、韓国の国家情報院に打診したのです。
非公式かつ、5年は内密に、という条件付きです。
韓国側としては、有利な条件なので、特に異論はありません。
ジョンヒョクと5人の隊員たちの送還は、すぐに決定されました。
あれからずいぶん回復し、立って歩けるようになったユン・セリ。
送還の知らせを聞き、内心複雑な気持ちを抱きながらも、「よかったわ」と、言いました。
見送りに行くことを躊躇するセリでしたが、母から
「(リ・ジョンヒョクは)手術をするときも、危篤のときも、黙ってそばに付き添っていた」こと。
「食事もせず、眠りもせず、何日もそばにいた」ことを聞かされ、いてもたってもいられなくなりました。
最後にひとめ、会いたいと願ったセリは、母が運転する車に乗せられ、引き渡しの場所まで疾走します。
時間よりやや早く、禁断線(南北境界線)に到着したジョンヒョクらを乗せたバス。
バスから降りると、向こうからも北韓の軍人をのせた車がやってくるのが見えました。
そして定刻よりややはやく、引き渡される人々は境界線を越え、お互いの国に帰っていきます。
神妙な面持ちのジョンヒョクも、禁断線をを越えました。
そこに猛スピードで一般の車が走ってきて、急ブレーキをかけました。
まさかと思って振り返るジョンヒョクは、愛するセリの姿を見つけたのです。
走りだすセリ、それを見たジョンヒョクは北の軍人の手を振り切って駆けよりました。
愛が、国境を越えた瞬間でした。
セリの抹殺や、ク・スンジュンの殺害を指示していたセヒョン夫妻は、窮地にたたされました。
犯罪者に利益供与した罪、殺人と誘拐の教唆(きょうさ)も加わり、実刑判決が下るかもしれません。
北韓のチョン社長が違法資金の入金明細をセリに渡したことが、逮捕されたオ課長から暴露されたためです。
セリの目の前で、セヒョン夫妻は手錠をかけられ、連行されていきました。
さて退院後、家に帰ったセリは、再び悲しみに打ちひしがれることになります。
自宅には、ジョンヒョクが残した痕跡が、たくさんあったからです。
冷蔵庫には、セリのために買った食品がたくさんストックされていました。
本棚には、「ユンセリ愛している」の文字が。
携帯電話には、ジョンヒョクが韓国にいるときに予約投稿しておいたメールが数日ごとに届きます。
それを読むと、いまだにいつも彼がそばにいてセリを見ているような錯覚を感じるのでした。
水道から温水が出たり、電気が必要なときに点く、インターネットがつながる生活。
そんな南朝鮮の豊かな暮らしを、隊員たちはなつかしく思い出していました。
村のみんなも、セリがいなくなったことをさびしく思っていました。
セリズチョイスの新作化粧品のパッケージには、みんなの顔の似顔絵が書いてあり、そこには真心こめたメッセージが。
お礼も言えないことが残念に思っていました。
ジョンヒョクとの結婚がなくなり、新居のマンションを引き払うダン。
引っ越しの品のなかにはク・スンジュンの遺品もありました。
ダンは、スンジュンとデートした、なんでもない日を思い出し、涙が止まらなくなるのでした。
そして一年がたつころ、ジョンヒョクは国境守備から召喚除隊となりました。
国立交響楽団で演奏するピアニストへの道を進むことになったのです。
そして思い出がたくさん詰まった家を出、新しい第一歩をふみだしたのでした。
セリは奨学金事業を立ち上げ、スイスで毎年コンサートを開くことにしました。
そして、スイスに出かけては、愛する彼の姿を探しています。
「あの人は、私がどこにいても見つけてくれる。いつかは会えるはず」
そして祈りながら待つ、何年目かのある日、セリとジョンヒョクは絵のように美しい景色のなか、再会を果たすのでした。
・・・終わり