「桜を見る会」問題について
何だかいろいろ騒がれているものの
「桜を見る会のなにが問題なのかわからない」
という人が結構いらっしゃいます。
なぜ、連日ニュースで取り上げられているのか?
なぜ、野党が騒いでいるのか?
なぜ、国民として無視できない問題なのか?
政治のニュースは、ちょっぴり難しい用語も出てきますし
毎日、仕事や勉強、家事に忙殺されていると
日々刻々と移り変わるニュースを追っかけるのは
なかなかハードルが高いものです。
・・・ということで
「桜を見る会の何が問題なのか」について
これまでの経緯も含め
だれにでも分かりやすいように、まとめて解説するよ☆
「桜を見る会問題」のこれまでのおハナシ
総理大臣主宰で毎年行われる「桜を見る会」。
1952年、吉田茂首相のころから始まった歴史のある公式行事です。
ところが、近年の桜を見る会は、参加者数や費用が大幅に増加しているとのこと。
記録が残っている2014年と比較してみると・・・
参加人数 | 支出額 | |
2014年 | 13700人 | 3005万円(←予算の1.7倍) |
2019年 | 18200人 | 5520万円の(←予算の3倍) |
2020年(来年度) | ? | 5730万円(←来年度の要求額) |
※桜を見る会の予算は、平成26年度から今年度までは一律1700万円余りだった
こんなかんじ。
年々、参加人数も支出額も、めちゃくちゃ増加している!
なんで!?
・・・というところから端を発しているのが、この問題なんですね。
「桜を見る会」支出額が増えた理由と参加人数が増えた理由
なぜ桜を見る会の支出額が毎年増えているかというと、単純に参加人数が増えたから。
参加人数が増えると、飲食物をたくさん提供しなければなりませんし
セキュリティのため会場の警備員さんを増やす必要も出てきますからね。
じゃあ、なんで参加人数が増えたのか・・・?
桜を見る会に参加できる対象者は、基本「功せき・功労のあった方」。
その招待基準がだんだんユルくなっているわけではないので、
本来であれば、毎年人数がどんどん増加するというのはおかしな話なんですね。
じゃあ、桜を見る会に招待されてた参加者のうち、増加しているのは、一体どんな人たちなのでしょうか?
桜を見る会に招待されたのは自民党国会議員の後援会のみなさん?
桜を見る会にどのような方が参加したのか
参加した人のブログやSNSから明らかになっています。
平成26年4月12日(土) 桜を見る会
地元福井の後援会の皆様も多数お越し下さり、たいへん思い出深い会となりました。
稲田朋美 日々の活動報告
2014年04月18日
総理主催の「桜を見る会」が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会(※)の皆様をご夫婦でお招きしました。(※後援会の常任幹事会のことだと答弁)
はぎうだ光一の永田町見聞録
2014年5月1日
「今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました」
「(桜を見る会の前夜祭で)下関市・長門市そして山口県内からの招待客400人による安倍首相夫婦を囲んだ盛大なパーティーが開かれました」
「今後もずっと『桜を見る会』に下関の皆さんを招いていただきたい」
山口県議会議員・友田たもつブログ
2018年5月8日
「片山さつき先生とも久しぶりに再会を果たしました。
『今日は、山口県からたくさんの人が来てくださっているわね~。10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ!』といつものように元気よくお声をかけていただきました」
山口県議会議員(当時)・藤井律子ブログ
どうやら桜を見る会には、功せき・功労のあった方ばかりでなく、
「地元後援会のみなさん等」が多数参加されていたようです。
後援会とは・・・
政治家が選挙で当選するよう選挙活動を支え、応援したり、政治や政治家に対して意見や提言などの政治活動をする団体のこと。
地元後援会の方々に、税金をつかった公的行事に参加できるような功績や功労があったとは、とても思われません。
また、この問題が表面化したことにより
ブログやSNSをあわてて削除した方も大勢おり
「やましいことがあるから証拠を隠滅したのか?」
という疑惑も!
火に油を注ぐ結果になってしまいました。
前日はホテルで前夜祭、貸切バス17台で移動
また多数のブログやSNSから
前日夜は、かならずホテルで前夜祭と称したパーティが開かれていたと判明。
安倍総理夫妻を囲んだ記念撮影が行われており、すべて総理公認だったこともわかっています。
前夜祭の翌日には桜を見る会の会場である新宿御苑まで、貸切バスで移動。
今年の参加者数はなんと850人、貸切バス17台の大移動だったというからオドロキです。
税金を使った公的行事であるはずの「桜を見る会」が
総理の後援会活動と一体になっていたのではないか?
という疑いがありますす。
桜を見る会の参加者名簿は破棄!一年未満保存文書として
桜を見る会の参加者が、後援会のおっちゃんおばちゃんなどではなく、正当な「功せき・功労者」だ!
と、証明さえできれば、なにもここまで問題にならなかったのですが・・・。
あるはずの「桜を見る会の参加者名簿」が、ない。
なぜなら「一年未満保存文書」だから破棄した、のだそう・・・。
エー!
これじゃあ、誰がどんな功績があって招待されていたのか、検証のしようがありません。
しかも破棄した日付が、2019年5月9日。
宮本徹議員(共)が、内閣府に招待者が増加した理由や選考基準などの資料を要求した日も、同じ5月9日。
国会で追及されるまえに、事前に証拠を隠滅しようとしたのではないか?
と、このように何もかもが疑わしいことばかり。
そもそも一年未満で破棄していい文書って、どゆこと?
つまり、いつでも破棄していいってことじゃんね(>_<)
そんなんで公的文書として通用するの?
一般の(自営業の)人だって、帳簿や領収書は7年間は保存しとかなきゃならないのに!?
ちょっとそのへん、考えられないほどのズサンさじゃないかと思うのですが。
「桜を見る会」が公職選挙法違反だといわれるゆえん
総理を含め、多数の国会議員が、自分の後援会の方々を桜を見る会に招待していた。
これが事実ならば、公職選挙法違反だといわれています。
公職選挙法とは・・・(抜粋)
後援団体の総会その他の集会(後援団体を結成するための集会を含む。)又は後援団体が行なう見学、旅行その他の行事において、第四項各号の区分による当該選挙ごとに一定期間、当該選挙区内にある者に対し、饗応接待をし、又は金銭若しくは記念品その他の物品を供与してはならない。(以下略)
桜を見る会では、食事も飲み物も無料。
焼き鳥、赤飯、巻き寿司、そば、まんじゅうなどが振るまわれたもよう。
なんとお土産もついて、うらやましい限りです。
いやいや、そうじゃなく。
・・・てか、完全に「饗応接待」に該当してるし!
前夜祭についても
夕食パーティの会費が5000円/一人だったにもかかわらず、
とても5000円では足りないようなオモテナシだったようです。
もし安倍さんの後援会事務所が
この足りない分のお金を払っていたら
有権者に対する利益供与(公選法違反)になってしまう。
また、安倍さんの事務所の政治資金収支報告書に
桜を見る会前夜祭については記載がなく、
もし安倍さんの事務所がお金を支払っていたら
政治資金規正法違反になってしまう・・・・。
・・・と、いろいろな面で、今回の「桜を見る会」問題は、安倍内閣にとって「詰み」なわけです。
ついこの前も、カニやメロン、ミカン、香典など選挙区の有権者に配ちゃって大臣が辞任し、騒ぎになったばかり。
大臣が辞任に追い込まれるほどですから、侮れません公選法。
いくら総理大臣だからといって・・・いや総理大臣だからこそ許されない大きな問題なわけです。
「桜を見る会」公職選挙法で何が問題?公平・公正な選挙を損なう恐れ
桜を見る会が、もし公職選挙法に抵触するとして、一体何が問題なの?
・・・という方もおられるかも。
関係、大アリですよ。
国民は税金をきちんと納める義務がありますよね。
一方で、国はみなさんから集めた税金を「公平、公正に」使わなければならない義務があります。
また国は「税金をどういう理由で、なにに使ったか?」
それを明確に説明できなければならないわけです。
桜を見る会は、税金を使った公的行事。
桜を見る会に「だれが招待されたのか」明確にしないことは、
「不正をしても国民にはバレない」
と、政府が国民をバカにしているということなんですよ?
国を運営していくには、ルールが必要ですね。
そのルールが法律なわけです。
だれもがルールである法律を守らなければ国が破綻してしまいます。
総理大臣だからといって法律を曲げることはできません。
総理の地元の後援会のみなさんに、総理が無料で飲食物を提供した。
↑このことだけでも、問題なのに
これを国民の税金を使ってやっちゃった。
↑公平に使うべき税金で、公職選挙法違反しちゃった。
このヤバさがわかりますか?
選挙で自民党に投票すれば、毎年桜を見る会に呼んでもらえる。
選挙で自民党が勝てば、また桜を見る会で有名人に会える。
これを裏返せば、
「その人の政治的意見や方針に賛成だから選挙で応援する」というのではなく
毎年、桜を見る会に行きたいから、自民党や安倍総理を応援しちゃおう!!
・・・とこんな感じで、公平・公正であるはずの選挙さえ歪んだものになってしまうのです。
こんなこと容認してはいけません。
「桜を見る会」はズルい!もし「くじ引き」だったら不公平は生まれなかった
同じ税金を払っているのに、自民党の後援会に入っている人しか、桜を見る会には参加できない。
これって、とてもズルいことですね。
たとえば、学校の遠足なんかを想像してみてください。
同じ授業料を払っているのに、遠足に行ける子と行けない子がいるとします。
30人のクラスで、定員は10名。
日ごろから先生と仲良くしている子は、遠足に行ける。
日ごろから先生と仲良くしていない子は、遠足に行けない。
当然、みんな遠足に行きたいから、めちゃくちゃ先生と仲良くしますよね。
10人の枠に入りたいから、より親密になるように、友達を出し抜いてでも先生にすり寄っちゃうよね。
でも選ばれなかった子のこと、考えてみ?
不平等だよね、ズルいよね、不満だよね。
当然なことです。
ましてやこれを、平等をうたう民主主義国家で、絶対やっちゃダメなんことですよ。
もし桜を見る会の参加者を「全国民対象のくじ引き」で決めていたら?
こんな大問題にはならなかったかも???
・・・・・なんちゃって。(かなぶんの個人的な意見ですw)
「桜を見る会」春の統一地方選の真っ最中だった!?
さらに現政権にとってマズいことに
今年の桜を見る会、統一地方選挙の真っ最中に開催されました。
桜が咲く時期と、選挙。
ちょうど重なっちゃったんですね~。
選挙があるからといって、桜を見る会を中止するなんて言えない。
・・・とはいえ!!
この事実は、非常にマズいでしょう。
時期的な面でも「桜を見る会」が、公職選挙法違反を指摘されても文句は言えません。
「桜を見る会」民主党政権時代はどうだった?
なぜかよく引き合いに出される「民主党政権時代」w
たしかに民主党政権時代にも「桜を見る会」はありました。
(鳩山政権時代だけね)
ただ、批判しようにも政党自体がもうないからねえ。
当時の総理大臣、いまでは政治家ですらないですし。
ただ「招待者は国民に疑惑を持たれないように」配慮され、
あくまでも「招待者リストは公開前提」(見られても困らない人しか呼ばない)だったもよう。
いずれにしても招待者に関して、モヤモヤの残る「桜を見る会」。
このさい招待者について明確な基準や線引きが必要なんですね。
「桜を見る会」が中止に!総理はどう責任を取る?
今回、問題視されたからか、安倍総理、突然「来年の桜を見る会は中止」にしてしまいました。
歴史ある桜を見る会ですから、いきなり中止にするのはどうなんざんしょ。
たしかに災害続きで日本全国被災地だらけ。
子供の7人に1人が貧困で、「明日食べるものすらない」状態の子供もいる。
消費税が増税になり、生活がカツカツの人も多いです(ウチもそう)。
国民が貧困や生活苦にあえぐなか、
贅沢三昧な桜を見る会はどうかと思いますが、
本来の「桜を見る会」の意義や文化の継承は、肯定すべきものですよね。
僭越ながら、一庶民として意見を言わせてもらえるなら、
もちろん招待客を絞る必要はありますが
桜を見る会は中止しないほうがよかった。
その一方で、安倍総理は参加者を公開し、説明責任を果たしてほしいです。
それができなければ・・・どうなるんでしょうね。
少なくとも、参加者が後援会の人々だったことを総理が知っていた以上、
「桜を見る会」を中止にしただけでは、責任を取ったことにはならないと思われます。
写真は、メルカリで3000円で売られていた桜を見る会のマスとリボンのセットです。
・・・・・ヾ(-д-;)ハア