自称・貧困ブロガー(笑)かなぶんです。
先日、とあるニュースを目にしました。
生活保護受給世帯では、アレルギーや歯の病気がある子どもの割合が一般世帯の10倍以上にもなるとの研究結果を、東京大の近藤尚己准教授(社会疫学)らのチームが31日までにまとめた。特にひとり親世帯で病気がある子の割合が大きかった。
2019/7/31 日本経済新聞
そもそも、貧困世帯の子供は虫歯や口腔崩壊※をしているケースが多い、という話は以前からよく聞く話です。
口腔崩壊とは・・・
虫歯が10本以上あったり、歯根しか残っていない未処置の歯が何本もある状態のこと
でも、本当に?
貧困=虫歯が多い、っていうのは、あまりに短絡的でないの?
だって、生活保護世帯は、無料で医者にかかることができる「医療扶助」という制度があるし・・・。
生活保護受給者じゃなくても、ほとんどの自治体で、中学卒業までの子供の医療費はタダだから。
じゃあ、なんで子供の虫歯を放置してしまうのか?
貧困世帯が虫歯を放置してしまいやすいのは、なぜなのか?
片親、貧困世帯からの目線で、考察します。
子供の虫歯はちょっと見ないうちにあっという間に進行する
子供の歯(乳歯)は、とても柔らかいのだそう。
そのためはみがきを怠れば、あっという間に穴が深くなってしまいます。
ちゃんとハミガキしていても
大人が「仕上げみがき」をしてあげないと
だんだんと黒ずんだ箇所が広がっていってしまう。
すこぶる厄介なシロモノ。
子供の虫歯と戦うのは、むしろ親の仕事なんですよね。
それに加え、歯のケアをしないと、どうなるか?
歯の健康を保つためには、どうケアすればいいか?
歯の磨き方のコツは?
などなど・・・頭ではわかっていても、実践できてない保護者が多いんじゃないかな~
(↑実際、わたしがそうだからw)
子供の虫歯は親の労働環境に関係する
もうひとつ。
子供の虫歯の原因は、親の労働環境に関係すると思うんです。
(親が労働環境がよくない会社に勤めていると、家庭ごと自動的に貧困にはまりやすいとも、言える。)
労働環境が悪く、仕事がキツく、身も心もへとへとに疲れ切った親が、子供の歯まで注意を向ける余裕、ある?
あるはずなーい!!
もうもう、ご飯を作って食べさせるだけで、精いっぱい。
多忙な状態ではとても、子供のはみがき(※毎日)まで気が回りません。
子育てに協力してくれる誰か(配偶者や祖父母)がいれば、だいぶ違うのでしょうが。
歯医者のために会社を休める親、休めない親。
もうひとつ、歯科医院が平日しかやっていないところがほとんど。
(親が土、日、祝日休みのフルタイムで働いている場合、)
「会社休んでまで、なかなか治療につれていけない~!」
・・・という親、多いんじゃないかな?
(かなぶんも、前の会社ではそうだった)
冒頭の記事の一部に「特にひとり親世帯で病気がある子の割合が大きかった。」という箇所があるけど、まんま、コレじゃない?
片親だと、フルタイムで働いている可能性が高い。
そして片親だと、子育てを交代してもらえる人がいる可能性が低く、虫歯は放置されやすい。
ハケンのかなぶんでさえ、
決められた休みの日以外に「休みたい」って言うの、かなり勇気がいる。
人手不足でギリギリの人数で回しているため、1人でも欠けると文句がブーブーです。
陰口が怖くて、とても休みたいなんて言えません。
んで、一カ月先の希望休を出して、その予約の日まで待っているうちに、ますます虫歯が悪化するという・・・。
子供の口腔崩壊を防ぐには、大人の労働環境の改善から、まず取り組む必要があるわけです。
(↑遠ッ!!)
突発でも、気軽に休みを取りやすいよう、
子供の虫歯を治すのに、親のメンタルに余裕が必要
虫歯があっても、インフルエンザや肺炎など、目に見える病気と違い、
見た目、本人は元気だし、
とくに痛がらない限り、ついつい軽く考えてしまいがち。
保護者に「虫歯は病気!」という認識があって、
しっかり虫歯チェックできるような精神的余裕がないかぎり
虫歯予防の歯磨きも、虫歯の治療も、後回しにされやすい。
たとえば「もう何もやる気が出ない」みたいな、ウツ傾向のある保護者だったら・・・
ごはん作って、食べて、晩酌しているうちに、コタツで寝ちゃって、そのまま朝・・・。
・・・というケースもあるわけで。
その一連の流れをさえぎって、「子供にはみがきをさせる」or「仕上げみがきをしてあげる」動作、できる?
・・・できんよなあ~(´Д`;)
「子供の口腔崩壊はネグレクト」みたいな意見もあるけども、
平衡感覚を失った親の精神状態。
その影響が「子供の放置された虫歯」として表面化してる・・・
貧困自体が、子供の口腔崩壊を引き起こすわけじゃない。
保護者の労働環境や、不安定な精神状態にもっとも大きな原因があると、かなぶんは思います。
単純に虫歯を治すより、ずっとずっと、根が深い問題なんですよね・・・。