認知症患者の暴力どう対処する?家族がケガをする前にすべき3つのこと

  • 2019年9月29日
  • 仕事
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なんとか1万円札を崩さないように、今月をやり過ごしたいと思っているかなぶんです。

あんまり過剰に食費を節約しすぎて、必要な栄養素を獲れなくなるもの問題ですが。

子供のためにもね(;´・ω・)

さて今日は認知症の高齢者によくある暴力について、お話したいと思います。

 

認知症になると性格が変わったように突然、暴力的になる方がいる

 

かなぶん、老健(老人介護保険施設)のなかでも、認知症の患者さんが入所するフロアで働いています。

ワンフロア約50名、全員が認知症。

本当に性格も症状も十人十色、さまざまな患者さんのお世話をさせていただいています。

まだ介護を初めてぜんぜん長くないんで、ひよっこではあるのですが、

介護の世界まだどっぷりつかっていないからこそ、シロウト目線で、家族や本人の不安に寄り添えるような気がするのです。

 

さて、そんな私にとって、一番イヤなのが、認知症の利用者さんたちの暴力。

もちろん全員が暴力的なわけではないのですが、なかには、職員や利用者に暴力をふるう方がいます。

 

暴力は突然、なんの前触れもなくやられることが多いです。

しかも本人は顔色ひとつ変えず、平然と叩いたり突き飛ばしたりするので、された方はびっくりしてしまうんですね。

はじめから暴力的な人だとわかっていたら、まだショックは少ないと思うのですが。

 

だれしも高齢になると、怒りっぽくなったり、気難しくなったりするのは皆さんもご存知ですよね。

認知症はそのもっと強烈な感じでしょうか。

性格がガラッと変わってしまったという方もいるようです。

 

暴力をふるう認知症患者を家族で介護することは負担が大きすぎる

 

認知症を患っていても、体はいたって健康という方がほとんど。

しかしそういった元気な認知症患者を介護するとなると、なかなか一筋縄ではいきません。

しかも、家族で介護するとなると・・・・:;(∩´﹏`∩);:

家族のストレスは計り知れません。

 

認知症の主な症状として、次のようなものがあります。

 

認知症の症状(一例)

  • 食べものではないものを食べてしまう
  • 何十回も同じことを聞いてくる
  • ついさっきの出来事を忘れてしまう
  • 昼夜逆転の生活になる方もいる
  • 介護拒否
  • 大便をいじる、いじった便をカーテンや壁にこすりつける
  • 持ち物がなくなったと騒ぐ
  • 暴力的になる     などなど

 

※もちろん認知症とひとくちに言ってもいろいろな方がいるので、すべての方にこの症状があるというわけではありません。

 

上の、どの症状も家族にとっては、とまどわれることでしょう。

経験の薄い私でも、利用者さんに暴力を受けたことは少なからずあります。

たとえば・・・。

車いすに乗せた利用者さん(女性)の靴を履かせようと足元にかがんだら、いきなり肩をけられたりとか。

わたしにとってその方は、親でもなんでもない他人なので、ショックではあったものの、怒れちゃうようなことはなかったのですが。

 

かなぶん
そもそも「認知症ってそういう人」っていう心の準備があったのと、まわりのスタッフさんのサポートで冷静に対処できました!

 

でもこれが家族だったら、どうしても冷静になれないでカーッと逆上しちゃうこともあるんじゃないか、と思うんですよ。

ちなみに手を噛まれる、つねられるような軽い暴力は、日常茶飯事だったりします(泣)

 

認知症患者に暴力で反撃してはダメ!

 

カーッと逆上して、ついつい手が出てしまう!

ってこと、ありえますよね。

 

介護士さんの暴力事件もよくニュースになっています。

介護の知識がない方が、家庭で認知症の方を見る場合は、もっともっとそのリスクは高くなることでしょう。

 

言葉で言って分からないなら、動物以下!
身体でわからせてやる!!

残念ながら、こういう考えの人も一定数存在します。

 

でも暴力は絶対だめです!

 

認知症の方は、「なにもわからない」というわけではありません。

たとえば「何を言っているか」は理解できなくても、受けた暴力や暴言(負の感情)をイメージとして記憶するので、いうことを聞かせるどころか、さらに依怙地になっていく可能性があります。

 

依怙地になり介護拒否が増えれば、ますます家族は介護のストレスがたまる結果となり逆効果になってしまうのです。

もちろん「目には目を、暴力には暴力を」というような考え方は、虐待事件に発展しかねない危険な考え方。

法治国家である日本で、決して容認されるものではありません。

 

暴力に訴える認知症高齢者にどう対処する?取返しのつかない事態になる前に

 

家庭で認知症の妻を介護していた夫が、介護疲れから妻を殺害!

このような痛ましいニュースを耳にすることもたびたびですね。

しかし認知症の方の実際の様子を知れば知るほど、「ムリもないなあ」と思うのです。

それほど認知症患者の介護は、過酷。

 

じゃあ、家族が認知症になってしまったら、お互い暴力をふるってしまうような状況になる前にどう対処していくか。

対処法を、おおまかに3つに分けて解説します。

 

対処法1、精神科のある病院に連れて行く

まずはどの程度認知が進んでいるか、専門家に診察してもらうことは大切なことですね。

「夜、寝てくれない」

「介護拒否がひどい」

など、診察時に気になる症状を相談しましょう。

適切なお薬を処方してもらうだけでも、介護がかなりやりやすくなります。

 

いつでも困ったことを相談しやすいよう、自宅から近くの病院を選ぶこともポイントですね。

精神病院には、認知症介護施設が併設されていることもあるので、そこに入所することになった場合も、自宅近くのほうが家族も通いやすくておすすめです。

 

ただ、「病院なんか行かない!」と受診自体を拒否する方もいらっしゃいます。

病院=怖い、というイメージがすでに出来上がっているんでしょうね。

 

そういった方には

「健康診断の通知がきていたよ。何にもないと思うけど、念のため行ってみようよ」

と誘ってみるとか。

 

どうしても連れ出すのが難しいなら、まずは家族が(本人抜きで)気になる症状を病院に相談に行ってもいいかもしれません。

お医者様に医学的な立場からお話を聞いてもらえると、家族にとってより安心できると思いますよ。

 

対処法2、ケアマネージャーに相談する

市町村役場に相談に行き、介護が必要になるかどうかが決まると、それぞれ担当のケアマネさんがつけられます。

ケアマネとは

ケアマネージャー(介護支援専門員)。高齢者が適切な介護や支援を受けることができるよう、介護制度の案内をしたり、介護サービスを受ける手助けをする人のことです。

 

しちメンドクサイことを書いてしまいましたが、要するに「気軽に相談できる頼れる案内人」みたいな人。

ケアマネさんは経験豊富な介護のプロなので、大船にのったつもりでなんでも相談して頼っちゃいましょう。

認知症の方でも、うまく言いくるめ(←失言)・・・説得できてしまいます。

 

かなぶん
【注意!】でもケアマネさんにもいろんな人がいるので、
みんな能力が高くて、いいヒトだとは限りません!

 

もし担当のケアマネと相性が合わなければ、担当を変えることもできるようですよ。

 

対処法3、ショートステイを利用してみる

認知症の方を家庭でお世話するのは、ほんとうにほんとうに大変なことなので、家族は心身ともに疲弊しきっている可能性があります。

心身ともに疲れ切った極限の状態では、認知症の方の暴力にも冷静に対処できなくなってしまうかも。

だからといって嫌がる本人をいきなり施設に入所させるのは不安ですね。

そんなとき利用できるのがショートステイ(短期入所)です。

 

かなぶんの働く施設でもショートステイさん、よくお試し入所にいらっしゃいます。

はじめは1泊2日。

次に来るときは2泊3日。

というように、長く入所できるよう徐々に馴らしていきます。

 

なんども繰り返すうちに職員と顔なじみになり、利用者さんにもだんだん笑顔が見られるようにもなります。

 

かなぶん
〇〇さん!
お久しぶりですね!お元気でしたか?また仲良くしてくださいね~(#^^#)

 

こうやって親しく名前を呼んで声をかけてもらうと、ご本人もなんだか嬉しそう。
利用者さん本人だけでなく、ショートステイは家族にとって介護を一休みできる時間。
介護をうまく乗り切るコツは、このような類の介護サービスをうまく利用して、家族が息抜きすることなんだと思います。

 

【結論】認知症の暴力には一人で対処できない

認知症になると、人が変わったように暴力をふるう方がいらっしゃいます。

それは認知症という病気が悪いのであって、病気にかかった本人が悪いわけではありません。

むしろ「だんだん何もかもを忘れてしまう」「わからなくなってしまう」ことに焦り、不安な気持ちでいるのは本人なんです。

不安な気持ちが「怒り」や「暴力」になって、発露してしまうだけなんですね。

しかしそのことを頭では理解できても、いざ暴力を振るわれると家族は冷静に対処できなくて当然。

そういうときの対処法は、専門家に丸投げしちゃえばいいんです。

そのために介護の専門家がいるんですから。

認知症は自己責任ではありません。ぜひ気軽に、いろいろなサービスを利用してみてくださいね。

 

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